ザ・ビーチ
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映画について
 今世紀最高の興行収入をたたき出した「タイタニック」で名実ともに世界のトップスターの座についたレオナルド・ディカプリオ。公開後、1年間の休養期間に入った彼のもとには出演依頼が殺到した。それらを吟味し、次なるチャレンジとして彼が選んだのがこの作品。ディカプリオは「次の作品は僕自身が強い思い入れを感じられる作品にしたかった。『ザ・ビーチ』とリチャードのキャラクターは、僕が何らかの結びつきを感じられる初めての作品だった」と語る。新しいミレニアムの幕開けを飾って、再びディカプリオが贈り出したエキサイティングな映画。それが「ザ・ビーチ」なのだ。

ストーリービハインド・ザ・シーンスタッフキャスト
 楽園のような自然を背景に繰り広げられる、血とマリファナにまみれたコミュニティの闘争。美しいイメージと暗い現実が交錯しながら、物語は謎をはらんで展開していく。

 原作は70年生まれのイギリスの新進作家アレックス・ガーランドが、若者たちの倦怠と狂気を描いたベストセラー。イギリスでは96年に発売されるやカルト的な人気を博し、デイリー・テレグラフは「サブ・カルチャーを丸ごと要約するという偉業を成し遂げた」と絶賛した。ここには「楽園はあくまでも理想世界」というガーランドの気持ちが色濃く反映されている。

 そして、このエキサイティングな企画を実現させたのは、監督のダニー・ボイル、脚本のジョン・ホッジ、プロデューサーのアンドリュー・マクドナルドという「トレインスポッティング」「普通じゃない」の黄金トリオ。原作を読んだボイルはたちまちその面白さの虜になった。彼は「ここには、自然は我々人間が好き勝手に踏み込んで開発すべきではないということが描かれている。現代生活に対する一種の寓話だ」と語る。

 また、編集のマサヒロ・ヒラクボ、衣裳デザイナーのレイチェル・フレミングは「トレインスポッティング」「普通じゃない」でも組んでいるおなじみのメンバー。ビーチの美しい映像をとらえたのは「デリカテッセン」やベルナルド・ベルトルッチ監督の「魅せられて」で印象的な絵作りをしてきたダリアス・コンジ。音楽は「ブルー・ベルベット」以降「ロスト・ハイウェイ」までデイビッド・リンチ監督の全作品を手がけているアンジェロ・バダラメンティが担当した。

 リチャードとともにビーチを目指すフランス人カップルには、「プレイバック」やエドワード・ヤンの「カップルズ」に出演しているヴィルジニー・ルドワイヤンと、“Barracuda”などの演技派ギヨーム・カネ。コミュニティのリーダー的存在サルに扮しているのは、「エドワードII」等デレク・ジャーマン監督の諸作や「オルランド」で知られるイギリスの知性派女優ティルダ・スウィントン。「トレインスポッティング」「フル・モンティ」「ラビナス」のロバート・カーライルがダフィを演じているのも見逃せない。


読者を夢中にさせた原作

 アレックス・ガーランドの小説は、1996年の出版と同時に高い評価を得た。ニューヨーク・タイムズ紙のブック・レビューは、“読者を夢中にさせる”“どんどん先が読みたくなる”と絶賛。ブックリストも“巧みに空想された物語『ルーニー・トゥーン』や映画「地獄の黙示録」、テレビゲーム、古くからあるカルトのメッセージなどによって創出された精神の、極めて独創的で心かき乱す描写”と称している。

 ダニー・ボイルは「本の成功の鍵は口コミにあった」と言う。「『ザ・ビーチ』は『蠅の王』とよく比較されるが、これは不当だし、僕たちはここからできる限り距離を置くことを心がけた。アレックスの小説は、自然は決して人間が好き勝手に踏み込んで開発すべきはないということを描いた、現代生活に対する寓話だ。島の住人は洗練された高度な文明生活を送っている。そして、たとえ熱帯の楽園でも、暴力は原始的な衝動から発生するのではなく、僕たちを取り巻く洗練された刺激から生じているのだ」。

 小説の中で語られる“楽園”とは何かという問いも、ボイルの興味を引いた。「楽園を探し求める気持ちは多くの人が持っている。しかし、楽園と称される場所の問題点は、もともと排他的なことだ。この映画の登場人物は、ほかの人間がビーチにやってきて土地を汚すことを許さない。彼らはビーチを自分たちだけのものにしたいのだ。そして、侵入者が迫ると暴力に頼ってでも楽園を守ろうとする。これこそこの物語の皮肉の一つだ」とボイルは語る。


タイでのロケーション
 撮影スタッフは総勢300名に及んだが、そのうち3分の2がタイ人だった。「ザ・ビーチ」は現代のタイを舞台に、タイで撮影された初めての外国映画となった。「過去にも外国映画は撮影されているが、ベトナムのシーンを代行するものがほとんどだった。だからタイ人スタッフにとっては、とてもエキサイティングなプロジェクトであると同時に、現在の祖国の姿が世界中に紹介される記念すべき映画だったんだ」と、マクドナルドは言う。撮影はコ・ピピ・レ島からスタートし、キャストは毎日ボートで島に通った。メーキャップや衣裳の着替えもこの中で行われた。島での撮影が終わると、一行はカオ・ヤイ国立公園へ移動した。

 バンコク市内での撮影はあまりに問題が多かったため、代わりに南部の小都市クラビで行われた。ほかに、ディカプリオら3人がクラゲと鮫に遭遇したアンダマン海、プーケットとタラングにあるサウンドステージなどで撮影された。

 タイの牧歌的なセットの中、いくつものロケーションをこなしたディカプリオは本当の楽園はエキゾチックな場所にあるものではないと指摘する。「リチャードは最後に、楽園は自分自身の中にだけ見つけられるということに気づくんだ。それは、決して遠い異国の風光明媚な場所じゃない。誰かが考え出したファンタジーでもないし、鉄道の次の停車駅でもない。今、自分自身がいる場所が楽園であり、自分を幸せにできるものを自分の力で見つけ出し、経験することなんだ」。

 最後に、ボイルは「ザ・ビーチ」を見ることによって観客に二つの体験を味わってほしいと付け加える。 「映画の前半は、僕たちの多くが憧れているいわゆる楽園への楽しくて官能的な旅になっている。一方、後半では楽園の概念を取り巻く複雑な道徳観や矛盾点が浮き彫りになる。僕はこの映画が、観客にとって楽しい作品であると同時に、深く考えさせられる体験になることを願っている」。


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