| ◆ INTRODUCTION ◆ 2003年4月、20代の新人女性作家が書いた1冊の本が、刊行と同時にベストセラーになった。タイトルは、「プラダを着た悪魔」。作者は、ヴォーグ誌の女性編集長のアシスタントをつとめた経験を持つローレン・ワイズバーガー。作者自身の実体験が多分に反映されているとおぼしきこの小説は、瞬く間に同世代の女性たちの間で評判を呼び、ニューヨーク・タイムズ誌のベストセラー・リストに6カ月間ランク・イン。世界でも27カ国語に翻訳され、何百万人もの女性たちの熱い支持を集めた。本作は、その待望久しい映画化。華やかにして苛酷なファッション界の裏舞台を垣間見せながら、誰もが社会に出たときに痛感する驚きや迷いをユーモアあふれるタッチで描き出し、たっぷりの共感を味わわせてくれる新感覚のトレンディ・ムービーだ。 監督は、アメリカのTV史上最もファッショナブルな番組として、世界中で社会現象を巻き起こした「セックス・アンド・ザ・シティ」を手がけているデヴィッド・フランケル。衣裳デザインは、同番組のサラ・ジェシカ・パーカーの着こなしを通じて、様々なトレンドを作り上げてきたパトリシア・フィールド。お洒落のツボを心得た彼らは、タイトルのプラダはもとより、シャネル、ドルチェ&ガッバーナ、ジョン ガリアーノ、エルメスなど、まばゆいばかりのブランドのアイテムをふんだんに使い、モードの最前線を心ゆくまで楽しませてくれる。 そのファッションに負けず劣らず、キャストの顔ぶれも実にゴージャスだ。猛烈に人使いが荒く、「プラダを着た悪魔」として恐れられるカリスマ編集長のミランダを演じるのは、アカデミー賞の最多ノミネート歴を誇る大女優のメリル・ストリープ。「メリルの信じがたいほどの才能のキーポイントは、コメディ性とドラマ性をブレンドする能力だ」というフランケル監督の言葉どおり、自信満々のセレブな表情の奥に、悪魔なりの意地と苦労がにじみ出る絶妙な演技で、14回目のオスカー・ノミネートを予感させる。 そんなストリープと、役の上でも演技の上でも堂々とわたりあいを演じているのが、女優として高い評価を受けた『ブロークバック・マウンテン』に続き、本作でヒロインのアンディに抜擢されたアン・ハサウェイだ。たくましく成長を遂げていくアンディの心情を、ハサウェイは等身大に表現。「あるある」とうなずき、「ガンバレ」と応援したくなるキュートなヒロインぶりで、観客の共感をぐっと惹きつけていく。 その他、ミランダの右腕のファッション・ディレクターに扮したスタンリー・トゥッチ、アンディに言い寄るセレブなエッセイストに扮したサイモン・ベイカーなど、男優陣にも魅力的なメンバーがズラリ。パリコレの場面に、デザイナーのヴァレンティノ・ガラヴァーニや、スーパーモデルのハイディ・クラム、ブリジット・ホールが本人の役で出演しているほか、ジゼル・ブンチェンがランウェイの編集者役でカメオ出演するなど、実在のファッション・ピープルの遊び心溢れる登場ぶりも、本作の見逃せないポイントだ。 全米では、6月30日に公開され、『スーパーマン リターンズ』の約半数のスクリーン数ながら、週末の興収第2位にランクされるというスマッシュ・ヒットを飛ばした本作。公開直後から、自分の上司の最悪ぶりを競いあう「ミランダ遊び」が流行するなど、ヒットは社会現象的な広がりを見せ、世界中に波及している。 ◆ STORY ◆ 大学を卒業し、ジャーナリストをめざしてNYにやってきたアンディ。オシャレに興味のない彼女が、世界中の女性たちが死ぬほど憧れる仕事を手にしてしまった!それは一流ファッション誌"RUNWAY"のカリスマ編集長ミランダ・プリーストリーのアシスタント。しかし、それは今まで何人もの犠牲者を出してきた恐怖のポストだった!ミランダの要求は、悪魔的にハイレベル。朝から晩まで鳴り続けるケイタイと横暴な命令の数々、その上"センス、ゼロ!!"と酷評され、アンディはこの業界が努力とやる気だけでは闘えないことを思い知らされる。キャリアのためとはいえ、私生活はめちゃめちゃ。カレの誕生日は祝えないし、友達にも愛想をつかされる。この会社で、このままでいいの?私って、本当は何をしたいんだっけ?働く女性なら誰でも共感してしまう等身大の悩みを、華やかなファッション業界を舞台にゴージャス&ユーモラスに描いた今年最高のビタミン・ムービー! |