リック・マッカラム(製作)来日記者会見



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リック・マッカラム(製作)来日記者会見


去る6月16日、プロデューサーのリック・マッカラムがPRのため来日、東京・新宿のパークハイアットで記者会見を行いました。特設サイトではその模様を全文掲載にてお伝えします。

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Q:「エピソード3」の製作にあたり、ルーカス監督と話したことで印象に残っていることは何ですか?

この映画は4年ぐらいかけて製作したので、まさに“挑戦”と言っても過言ではないね。構成とデザインだけで1年もかかったよ。この新作には12の惑星が登場するんだけど、その中の8の惑星は全く新しい今までに登場していないものだったので、一からデザインを考えなければならなかったんだ。我々の考えている世界の場合は、乗り物からコスチュームから、本当にベーシック・リアリティを作り上げなければならないので、それだけデザインにかける負担が多くなるわけさ。

同時にビジュアル・エフェクトの水準もより高いものを求めて、かなりのリアルさを追求したよ。それと、いわゆるデジタル・パイプライン、つまりデジタルカメラで撮影してデジタルで映写する、そのパイプラインをより強化したんだ。この映画の中には、2150のエフェクト・ショットが入っているんだけども、その中には1つのフレーズの中に30から40の違うエレメントが入っているシーンさえある。3年間にのべ2000人のスタッフを動員して撮影、と言えばどれだけ大きなチャレンジだったかわかってもらえるだろ?


Q:「エピソード7」を作る予定、またはこれまでの「エピソード4」「5」「6」をリメークする予定はありますか?

まず最初に、これから新たに映画を作るかという質問に対しては、答えは「ノー」。でも、実はいいニュースもあるんだ。残念ながらあまり時間がなくてルーカスはその後、プロジェクトに時間をかけていないようだけどね。現在の新作の脚本が出来上がり次第、今度はテレビシリーズを手がける予定とのことだよ。「エピソード3」から「4」までの間の約20年間の空白の時間を描いたテレビシリーズで、100時間分ぐらいドラマを作る予定さ。そこで初めて「エピソード4」に登場する色々なキャラクターが、どういう風に出会ったか、どういった形でルークが大人になっていったかということを描くんだ。これは来年には製作に入る予定だよ。

さっき、映画はもう作らないと言ったけども、正直言ってルーカスは狂っているから(笑)、何をやり出すか僕自身わからないよ。だからもしかしたら彼が一生かけてこの「スター・ウォーズ」シリーズをあれこれ考えて、何かしらの形で作り続けていくかもしれないから、もしかしたら確実に「ノー」とは言えないのかも。ただ少なくとも、これまで作った「エピソード4」「5」「6」に新しくビジュアル・エフェクトを加えて再リリースすることは、全く考えてないだろう。


それと同時に、多分2,3年後には実現できると思うんだけど、世界中にデジタルの劇場が2500から3000館ぐらいまで増えた時点で、我々はこれまで作り上げた「1」から「6」のエピソードを3Dバージョンとして再公開したいと思っているんだ。現在、ある会社とその期日について試行錯誤しているんだけど、それはとても素晴らしいもので、僕も感激を受けた。主にポストプロダクションでいろいろと手を加えていくんだけども、これまで取り上げた2Dの映像に色々と手を加えて、劇場の観客がワイヤレスのメガネをかけて観ると、本当に飛び出てくるような3Dの映像がもう少しで可能になりそうなんだよ。僕もそれに関しては、すごく興奮しているんだけど、そういった形でまた皆さんにご覧いただければと思ってるよ。

Q:この映画の撮影が終わった時、キャストやスタッフの方々はどんな様子でしたか?

まず、ホッとしたね。そして凄く感情的にもなったよ。普通、映画プロデューサーの卵なんかの場合は、1年から1年半で製作し、あっという間に公開を迎えて、それはそれで結構感情的になると思うんだけど、だいたいは映画がコケてしまって寝込んじゃうんだよ。
この作品の場合は「1」から「3」まで12年間かけて作った。本当に休みなしに「1」が終われば「2」に入って、「2」が終われば「3」の製作に入ってと、途切れることなく製作に携わったわけなんだ。だからなおさら僕としては、とうとうこの「エピソード3」で「スター・ウォーズ」を手放す時期が来たという実感があって、ちょっと寂しい気持ちにもなった。

一番自分が悲しい気持ちになったのは、たぶん撮影が終わる10日ぐらい前のことだろう。その日のシーンっていうのが、アナキンが初めてダース・ベイダーになって、あの衣装をつけて手術台から離れるシーンだったんだ。それはオーストラリアで撮影したんだけど、あのスーツを着るとヘイデン(アナキン)が歩けないので、ヘイデンを迎えにゴルフカートを使ったんだよ。実はあのダース・ベイダーの靴は上げ底になっているんだ。トム・クルーズと一緒だね(笑)。
そのシーンを撮る時に、スタジオの前に1000人くらいの関係者が集まっていたんだ。彼らの多くが30代後半で、いわゆる「スター・ウォーズ」世代さ。初めてヘイデンが衣装をつけて登場したのを見て、本当に泣く人間もいた。製作に入った段階でいつかは終わりがくるんだと思っていたけど、それを目の当たりにして、とても感傷的になった。
その晩はパーティーをやったんだけど、夜中の3時ぐらいまで飲んで色んな思い出話に花を咲かせたよ。その時に初めて我々は、これまでの人生の中で新しいページが開かれたんだ、という実感があったよ。

今回、僕もルーカスも誇りに思っていることがある。それはこの16年間、ほとんど同じスタッフで3部作を作り上げたことなんだ。本当にみんなで一緒に年を経て、年齢を重ねて、体重も増えて、髪の毛も薄くなって、一緒になって成長したという実感があって、それはとても特別なものなんだ。


Q:本作では、アナキンがダークサイドに落ちてから、畳み掛けるようにスピーディな展開で話が進んでいきましたが、本編からカットされたシーンや、収録できなかったエピソードなどがありましたら教えて下さい。

実はルーカスとDVDを作り終えたばかりなんだ。カットしたシーンにVFXも加えて準備しているんだけど、本編に関しては、カットしたシーンに対して後悔してはいないよ。映画を完結へと進めるために必要のないシーンだと判断して入れなかったわけだからね。カットしたシーンはDVDに収録されたけど、これは、映画製作の全体のプロセスの中で、どのシーンを選択して本編になったか知りたいファンが多いからそうしたんだ。だから、この質問の答えは「ノー」だね。カットしたシーンは、必要ないと判断したから映画では使わなかったということなんだ。

Q:アナキンを演じきったへイデン・クリステンセンやユアン・マクレガーに、映画を撮り終えての感想は聞きましたか?

まず、ユアンは解放されたと思ってるんじゃないかな。3作とも出演しているし、ブルー・スクリーンで演技をするのは大変だったみたいだからね。だけどへイデンは多分今でも「2、3取り直しのシーンがあるから」っていう僕からの電話を待っているんじゃないかな。彼は映画を撮り終わりたくないんだと思うよ。実はへイデンがNYで撮影しているときに、出来上がったフィルムを持って訪ねて、一緒に試写を観ることができたんだけど、その時もそう感じたよ。彼と一緒に映画を撮ることができて素晴らしい時間を過ごせたし、彼は素晴らしい俳優で、人間としてもちゃんとしていると思うよ。

Q:サミュエル・L・ジャクソンについては?

彼こそ男の中の男だよね。サミュエルにはとても独特のオーラがあって、彼がスタジオに入ると、雰囲気が全く変わるんだ。キャストもスタッフも気を引き締めるので、仕事ぶりもはるかに良くなるんだよ。それは彼自身が1つのスタンダードを持っていて、彼の水準に見合うものを自分達もしなければいけないと、周りの人に思わせてくれるからだろう。彼は100本以上の作品に出演しているけど、この「スター・ウォーズ」シリーズに出演したことは、彼にとってとてもプラスになったんじゃないかと思う。このシリーズに出たことによって、今までの出演料の総額がトップになったんだから。彼は30代の後半で役者として芽が出て、それから40億ドルを超える額を稼いできたというから、これはスゴいことだと思うよ。

Q:今回、改めてルーカス監督の偉大さを感じましたか?

センチメンタルになるつもりはないけど、ルーカスは本当にいい人なんだよ。それが彼の素晴らしさでもあり、そのジェントルマンなところはやはり一緒に仕事しやすい点だ。彼は映画の製作全体、そしてプロデューサー業に関してもよく知っているからね。もちろん彼の要求はとても高いよ。とことんやらされる感じだ。でも努力の限界に関しても認識がしっかりしているので、最終的な決断を任せてもらっている部分もある。そういう意味での理解にはとても感謝しているよ。

僕は基本的に、映画は監督のメディアだと思っている。監督があらゆることを想像に描いて、それを映像化するわけで、そういった環境、ツール、資金を提供してあげることがプロデューサーの仕事だと思っている。

彼の仕事には3つの原則がある。no fear(恐怖を感じない)、no drama(大げさなことをしない)、no big scene(あわてふためかない)、つまり真面目にコツコツと仕事をすることが大切なんだよ。

普通、僕は彼よりも先に出社するようにしているんだが、彼は出社すると大抵、大きな笑みを浮かべて入ってきて無理難題を言うんだよ。ある意味、無理難題を言って僕に意地悪するのを楽しんでいるんじゃないかな、と思うぐらいだよ。毎朝何かアイデアを言ってきたり、提案してきたりするんだけど、それによってそれまでの準備などが全て水の泡になるんだよ。でも、彼の新しいアイデアの方が良い場合も多いから、快く受け入れて彼の思い通りにするのが僕の仕事だと思っている。


Q:細心の注意を払った点などはありますか?

正直言って、命があるうちにこの作品の完成を見届けたいと思っていた。この映画は8ヵ国で撮影をしていたんだけど、スケジュールが常に6ヵ月遅れのような感じがあって、本当にプレッシャーなど考えている暇もないくらいだった。それぐらい製作に追われていたんだ。そして、公開の10日前に完成したんだ。やっと完成版が出来上がった時には、すでにそれに手を加える時間など全くない状態だったんだ。まぁ、だからDVDというものがありがたくも思えてくるんだけど、要するにプレッシャーなど感じる暇はなかったということだよ。

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