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ecpecte.jpg (6203 バイト) フロリダのガルフ・コーストに面した小さな町。10歳になるフィン・ベルは、姉のマギー、そのボーイフレンドで便利屋をしているジョーとともに暮らしていた。美しい湾にはカモメが群れ飛び、静かにないだ水面は光を浴びてカラフルに表情を変える。生活は貧しかったが、絵の才能に恵まれたフィンは、海や魚など豊かな自然の情景を描きながら、穏やかな毎日を楽しんでいた。
 ある日、スケッチブックを手にモーターボートで海に出かけたフィンは、突然、浅瀬に現れた男にはがいじめにされる。その男ラスティグ(ロバート・デ・ニーロ)は刑務所を脱獄した囚人で、フィンを脅して脱走の手助けをするように言う。
 その夜、フィンは言われるまま家を抜け出して、足の鎖を切るボルトカッターと酒とパンを運び、ボートを沖に出して彼を逃がしてやる。
 しばらくして、フィンはディンズムア夫人の邸宅に行くジョーに同行した。彼女はこの地方一の金持ちだが、30年前に結婚式の祭壇に一人取り残されるというつらい過去を背負っていた。婚約者が去ったその日から、彼女の時間は止まっていた。美しかった邸宅と庭園は、“失われた楽園”という名前の悲しさそのままに荒れ果てていた。そしてここは、フィンにとって運命的な出会いの場ともなった。
 ディンズムア夫人の姪エステラ。金髪を腰まで伸ばした美しい少女。わずか10歳ながら、彼女は上流階級の冷たい表情を身にまとっていた。やがて、夫人から、フィンをエステラの遊び相手として邸に来させるようにとの電話がくる。
expect1.jpg (9614 バイト) 精一杯に正装し、再び屋敷に入っていくフィン。着飾って厚化粧し、ラテン音楽に合わせてダンスを踊るディンズムア夫人(アン・バンクロフト)。彼女はフィンにダンスを踊るように命ずるが、踊れないフィンはかわりに絵を描くと言う。はがした壁紙の裏にさらさらと描かれる生き生きとした少女の肖像。二人との出会いに、フィンの夢は膨らんでいった。上流階級のために絵を描き、彼らと同じように自由を謳歌し、そしてエステラを愛するという夢……。高ぶる心を冷やすように、庭の噴水から水を飲むフィン。知らぬ間にエステラが噴水に顔を近づけて水の中で唇を含わせてくる。驚き、悦びに心ふるわせるフィン。彼は、絶望的な恋に落ちていた。しかし、ディンズムア夫人は、「あの子はお前の心を傷つけ、ずたずたにするだけだ」と、フィンに警告する。
 フィンはそれから土曜日ごとに邸宅を訪れることになった。時は流れ、フィン(イーサン・ホーク)とエステラ(グウィネス・パルトロウ)は一緒にダンスし、成長した。ある日、一緒にパーティーに出かけたフィンは、エステラに促されるままジョーの家へとやってくる。彼の部屋に入り、脚を押しつけ、挑発するエステラ。しかし、彼女はキス以外は許そうとしない。翌日、屋敷を訪ねたフィンを待っていたのは、エステラがヨーロッパヘ旅立ったという知らせだった。
「さよならも言わなかったの?」。夫人の、からかうような言葉は、フィンをひどく傷つけた。
expect2.jpg (6542 バイト) 7年がたった。あの日以来、フィンは大好きな絵筆を置き、夢を見ることもやめた。ジョーを手伝って海で漁をしながら過ごした。しかしある日、彼のもとにニューヨークから弁護士がやってくる。ある人物が、ニューヨークで個展を開くための援助を申し出たというのだ。誰が何のために?名前を明かそうとしない支援者。ディンズムア夫人なのか?フィンはいぶかりながらも、この申し出を受けることにする。
 安ホテルに居を構え、個展のために作品を描くフィン。町でデッサンをしていたある日、公園で水を飲んでいた彼の横に一人の女性がやってくる。その噴水に口を近づけ唇を合わせたのは、エステラだった。彼女に誘われて『ボロークラブ』に入ったフィンは、そこで友人ウォルターらを紹介され、エステラの肖像画を描くことになる。
 しばらくしてエステラはホテルに現れ、すべてを脱ぎ捨て、絵のモデルになった。創作意欲をかき立てられ、狂ったようにデッサンするフィン。しかし突然、時間がないと言って帰っていくエステラ。追いかけて一緒にタクシーに乗り込んだフィンに、エステラはディンズムア夫人と過ごした日々のことを話す。自分の育った特別な環境。“人は変われない”。その呟きはフィンにとって拒絶を意昧しているように思えた。
 やがて新人アーティスト、フィネガン・ベルの記事が方々で取り上げられるようになった。広いロフトに移り住んで、N.Y.アートシーンの寵児になろうとしていた。
 あるパーティの席上。フィンの成功を祝う人々の輪にエステラも入ってくる。彼女への気持ちを抑えきれなくなったフィンは会場を去ったエステラ一行を追い、レストランでウォルターの前から彼女の手を取って連れ出した。雨の中、楽しげに走り出す二人。やがてロフトに着いた二人は、初めてベッドをともにする。しかし、エステラはここに止まろうとはしなかった。
 個展は予想通りの大成功だった。懐かしいジョーの顔もあった。しかし、田舎者丸出しで大声でしゃべるジョーを、フィンは思わず恥ずかしさで怒鳴りつける。寂しげに去る“じゃま者”の後ろ姿に、動揺するフィン。今や彼は、富、地位、名声を手に入れた。すべての夢が実現したはずだった。だが……。自分にとって本当に大切なものは何だったのか?
 酒を飲み、エステラの家へと走るフィン。だが、彼を迎え入れたのはディンズムア夫人。彼女の口から“筋書き”通り、エステラがウォルターと結婚したことを知らされる。
 またしても……。フィンの心には空しさだけが残った。夢と成功を追い求め、それが叶ったというのに。傷心でスタジオに帰り着いたフィン。そのとき、深いしわの刻まれた顔を白いひげで覆った老人が彼の前に現れる……。

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