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 沖縄の離島・南風原(はえばる)島の1 日は、サンゴが眠る深く青い海と大空が、群青色に溶け合う夜明けの情景から始まる。今から20 年前、病に冒された美しいピアニスト由起子が、東京からこの小さな島にやってきた。由起子は、島と海しか知らないウミンチュ(漁師) 龍二と恋に落ち、凉子という名の娘を授かるが、幼い娘を残して天国へ旅立ってしまう。時は流れ、幼なじみの大介、一也と兄妹のように育った凉子は、母親譲りのピアノの腕をもつ島一番の美しい娘に成長した。大介は大学進学で島を離れ、一也は島でウミンチュを目指すことに。そして一也は凉子に愛を告白し、結婚を約束するが、若い二人の結婚を父・龍二は反対した。一也は父の許しを得るために凉子へ贈る宝石サンゴを取りにひとり海へ…。だが凉子を待ち受けていたのは、一也が海で命を落としたという知らせだった。愛する者を失った凉子は心を閉ざし、周囲との関係を断ってしまう。そして父・龍二も妻・由起子との別れの痛みを抱えて生きていた…。

 『涙そうそう』『タッチ』『世界の中心で愛をさけぶ』など、数々の大ヒット映画に主演し、日本を代表する映画女優となった長澤まさみ。爽やかな笑顔が印象的な彼女が、最新主演作『群青 愛が沈んだ海の色』では、最愛の人を突然失い絶望に打ちひしがれるヒロインを演じ、新境地を開く。 沖縄の離島ですくすくと育った天真爛漫な少女・凉子。しかし、残酷な海に愛する人の命を奪われたその日から、言葉を発することができなくなる。彼が沈んだ深く暗い海の底に、自らの身も沈めてしまったかのように……。『群青 愛が沈んだ海の色』は、傷ついたヒロインが周囲の人々の愛情に包まれ、悲しみと痛みを乗り越えて、ひとすじの光を見出していく姿を描きだす。群青色に染まった海に光が射し込み、やがて訪れる希望の朝――。切なくも美しい再生の物語は、観る者の心を温かい感動で満たしていくに違いない。

 島で一番のウミンチュ(漁師)であり、凉子を男手ひとつで育てる父親役を演じるのは、映画、テレビドラマ、舞台と幅広く活躍する演技派俳優・佐々木蔵之介。クールな中に娘への深い愛情を感じさせる繊細な演技が光る。また、凉子を優しく見守る幼なじみに、若手実力派・福士誠治。愛する女性が親友と恋に落ちてしまう複雑な心境を切なく演じきる。そして、凉子にプレゼントするためのサンゴを取りに海に潜り、命を落としてしまう一也役に、舞台中心に活躍し今回が初の映画出演となる良知真次。それぞれの想いで凉子を愛し、見守る三人の男たちにも注目だ。そして、凉子の母親でピアニスト由起子役には、ドラマ「冬のソナタ」など声優としても活躍の幅を広げる実力派女優・田中美里が演じ、映画全体に神秘的な美しさを漂わせている。

 監督・脚本を手がけたデビュー作「青い魚」(97)が、ベルリン国際映画祭ヤングフォーラム部門に正式招待されて以来、ヨーロッパ各国で劇場公開された2 作目「Departure」(00)、鈴木京香とワン・リーホンを主演に迎えた『真昼ノ星空』(03)も同部門に正式招待されるなど、国際的な評価も獲得してきた中川陽介監督。一貫して沖縄を舞台に撮ってきた中川監督が、今回の撮影地として選んだのは、沖縄の渡名喜( となき) 島。初めて映画の撮影隊が入る島で、2008 年7 月~ 8 月の最も暑さの厳しい時期にオールロケで行なわれた。赤瓦の家並み、白砂の小道、緑深いフクギ並木が続く景観は、まるでおとぎ話の世界に足を踏み入れたように美しく、夏の陽に照らされた島を見事にカメラに収めた。生きている者と逝きし者との繋がり、登場人物たちの心の陰影までも静謐かつ詩的な映像美で表現した。エンドロールに美しい調べを添える映画主題歌「星が咲いたよ」は監督自らのリクエストでシンガー・ソングライター畠山美由紀に依頼。その落ち着いた大人の魅力と透明感溢れる歌声は、観る者の魂にまで響くレクイエムのような心癒すナンバーとなった。なお本作では彼女自身も凉子の子供時代シーンでピアノを弾く小学校の教師役として出演している。