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 沖縄の離島・南風原島。一年ぶりに故郷の島に戻ってきた比嘉大介(福士誠治)は、海辺に立っている幼なじみの仲村凉子(長澤まさみ)を見つけるが、凉子の目には過去しか映っていない。全ては20年前の春に始まった……。
 20年前――。世界的に有名なピアニスト、森下由起子(田中美里)がグランドピアノとともに島にやってきた。ウミンチュ(漁師)の仲村龍二(佐々木蔵之介)は彼女の演奏に心を打たれ、女のお守りと言われている宝石サンゴの原木を海から取ってくる。やがて恋に落ちた二人は娘を授かり凉子と名付けるが、病魔に侵されていた由起子は龍二と凉子を残したまま、この世を去ってしまう……。

  凉子は、同じ年に生まれた大介、上原一也(良知真次)とまるで兄妹のように育つが、やがて三人はそれぞれの道を歩み始める。一也は島でウミンチュの修行をし、大介は那覇の芸術大学に進学が決まる。そして、凉子は看護師を目指すため、島を出ることを考える。だが、18の春、一也が凉子に愛の歌「トゥバラーマ」を歌ったことで、三人の関係は変わってしまう。その夜、凉子と一也は結ばれ、凉子は島に残ることを決意する。密かに凉子のことを想っていた大介は居場所を失い、予定より早く島を出てゆくのだった。 凉子との結婚を龍二に反対された一也は、龍二が由起子のために見つけてきた宝石サンゴの原木を、自分も凉子のために取ってくることを思いつき、深場へと潜る。しかし数日後、一也は海で溺れ、帰らぬ人となってしまう。一也の死を受け入れられない凉子は、精神のバランスを崩し入院。退院してからも、母のピアノのある離れにこもり、夕方になるとうつろな状態で浜に向かい、誰とも話すことなく、思い出の中だけに生きるようになる。

 大介が1年ぶりに故郷に戻ってきた。島の伝統的な焼き物を自分なりに完成させるためという名目だったが、心の底では凉子のことが気にかかっていたのだ。大介は浜にたたずむ凉子と偶然再会するが、久しぶりに会った彼女の表情は暗く、笑顔はなかった。大介は、凉子が一也を失って以来精神的に患い、入院していたことを知る。ある日、龍二の家の離れをのぞいた大介は信じられない光景を目にする。グランドピアノの鍵盤カバーが無残に破壊され、内部の弦はすべて切断されていた。驚いた大介がそのことを龍二に尋ねると、意外にも弦を切ったのは龍二自身だと告白する。退院した凉子がピアノを乱打し、騒音で島中に迷惑をかけてしまうことに心痛めた龍二の周囲に対する配慮からだった。大介は凉子、そして龍二をどんなに救い出したくても何もできない虚しさに襲われ、昼も夜も焼き物作りに没頭する。そんな大介の姿を目にするようになった凉子にささやかな変化が訪れる。凉子が自らの手で花瓶を作り、一也の家に大介と共に届けたのだ。凉子は生前、一也が暮らしていた部屋に初めて足を踏み入れる。そこに飾られていたものは、みずみずしい微笑みを浮かべる元気だった頃の凉子の写真。それは一也を失った今ではもう見ることができない凉子の姿だった。絶望の淵を彷徨う凉子を目の前にして、何の力にもなってやれないと知った大介はある決意をする。一也が海底で探し求めた宝石サンゴを自らも探しに潜ろうと。しかし、大介も一也と同じく、海で姿を消してしまう。大介が行方不明という知らせを聞き、龍二は懸命に捜索する。
 海で消息を絶った大介の運命は? そして凉子が哀しい過去から解き放たれ、新たな一歩を踏み出す日は訪れるのか……。