去る10月22日、本作のプロモーションのため主演のドン・ジエが初来日し、銀座西洋ホテル(東京・有楽町)にて記者会見を行いました。本作ヒロイン役を決めるにあたり、チャン・イーモウ監督は中国全土を対象にした、大規模な公募を実施。5万人の応募者から主役を射止めたドン・ジエは、チャン・イーモウ監督が送り出した新たなミューズとして、注目を集めています。その模様を全文掲載にてお伝えします。

ドン・ジエ(以下D):こんにちは。今回皆さんにお会いできて大変嬉しく思っています。ぜひ皆さんに私の最初の映画である「至福のとき」、そして私自身を好きになっていただければと思います。
Q:集中的に写真を撮られて、驚いていますか? D:とても嬉しいです。ぜひ日本の皆さんに紹介していただければと思います。 Q:コン・リー、チャン・ツィイーに続くヒロインに抜擢された感想と、今後の抱負を聞かせてください。 D:チャン・イーモウ監督に見出されたということは、とても光栄なことだし、コン・リーさんや、チャン・ツィイーさんはすでに大変有名な女優だということで、初めての映画でチャン・イーモウ監督と一緒に仕事ができたことは大変ラッキーだったと思います。ぜひこのチャンスを無駄にせず、しかし平常心を忘れずに、目標を高く持って努力したいと思っています。 また、今後はたくさんの本を読んでできるだけいろいろな役柄に挑戦していきたいと思います。1つの固定した役柄に自分を留めることなく、いろいろな役柄を演じることで個性を発揮していきたいと思います。 Q:映画のときは少女のような体つきに見えましたが、撮影時は何歳でしたか? D:映画の中では幼く見えますが、当時は20歳でした。しかし役柄が16〜17歳の少女という設定だったので、監督から痩せるよう指示があり、5〜6キロほど痩せました。映画の中ではかなりか弱く見えると思います。 Q:役作りに関して、監督からどのようなアドバイスを受けましたか? D:監督は撮影中、まず私を励まし、自信をつけてくれました。また役柄についても分析し、話をしてくださいました。監督が言ったことでとても印象的だったことが、「悪い役者はいない。いるとすれば、監督が悪いのだ」という言葉です。ですから、監督と一緒に力を合わせて頑張りました。 Q:盲目の少女ということで、役作りの点で苦労したことを教えてください。また監督は厳しかったですか? D:最初の映画で盲目の人を演じることになるとは思っていませんでした。しかし監督が「ベテランの俳優でも、ハンディキャップを持つ役を演じることはめったにないんだ」と言ってくださって、今では最初の映画でこんな役に挑戦できたことがとてもラッキーなことだと思っています。 また監督は、演技の面で要求するレベルはとても高いのですが、決してプレッシャーはかけない人でした。私は目が見えない人と一緒に生活し、観察することで、盲目の少女を演じることができました。 Q:チャン・イーモウ監督のこれまでの作品の感想を聞かせてください。また、目指している女優がいたら教えてください。 D:監督の作品は全部見ました。その中でも特に「紅夢」「活きる」、そして「あの子を探して」「初恋のきた道」が好きな作品です。 また、女優としての目標はコン・リーさんです。彼女のような優秀な女優になりたいと思っています。 Q:ベテラン俳優に囲まれての撮影で、苦労した点やエピソードがあれば教えてください。 D:最初の映画で中国国内でも有名な俳優さんと共演できたことを、大変光栄に思います。その中でも印象深かったのが、チャオ・ベンシャンです。彼はコメディアン出身なので、普段もとてもユーモラスな人です。私が撮影に入ったばかりの頃、「先生、先生」と言って皆さんを質問攻めにしていたのですが、逆に彼は、私を「ドン先生」と呼ぶようになり、遂にはニックネームが「ドン先生」になってしまいました(笑)。 Q:いろいろな役柄に挑戦したいとの事ですが、次にやりたい役はありますか? また、コン・リー、チャン・ツィイーに続くミューズとしてのプレッシャーはありますか?  D:次は自立心がある、内面的に強い女性を演じてみたいです。実際、私は10歳で親元を離れ、両親には1年に1、2度しか会えなかったので、自立心は強いと思います。そういう面を出せる役に挑戦したいと思います。 また、コン・リーさん、チャン・ツィイーさんは2人とも中国を代表する女優で、国際的にも有名になっているわけですが、同じ監督に見出されたからといって、最初から彼女たちと肩を並べられるとは思っていません。一人一人に与えられた運命は違うわけですから。しかし、チャンスは無駄にせず、自分にプレッシャーを与えるのではなく、余計なことを考えず、自分ができることを努力していきたいと思います。 Q:5万人の応募者の中から主演を射止めたということですが、ドンさんのどこを気に入って監督は選んだと思いますか? D:性格や持ち味だと思います。また今の中国の若い女の子は、日本と同じく早熟ですが、私は軍隊に入っていたせいか幾分幼く見えました。一方監督は、世間に染まっていない子を探そうとしたらしいのですが、なかなかそういう子が見つからなかったそうです。そこで20歳にもかかわらず幼く見えた私は、監督の意向に合致したんだと思います。また私は年齢が上なので、目が見えない少女の真似をすることは、若い子たちよりは上手だったと思います。そこが監督に買われた点だと思います。 Q:盲目の少女の役を演じたということで、撮影中の失敗談や大変だったことはありますか? D:撮影中にうまくいかないことはたくさんありました。例えば物があって、演技ではそれを触ってしまうのですが、本当に目が見えない人は、まず周りを触っていって、最後にその物を触るんです。意識はしていてもついつい失敗してしまいました。 また、有名な監督と俳優さんが周りにいたので、自分になかなか自信が持てませんでした。他の俳優さんは各々で自分の役を作り上げているのに、私はいつも勉強しているような状態でした。しかし、スタッフ、キャスト全員が対等な人間関係を築いていたので、とてもリラックスして撮影に臨むことができました。 Q:撮影中にマッサージのシーンがありますが、それは誰かに教わって習得したものでしょうか? また、マッサージした相手はキャリアがある俳優さんばかりでしたが、緊張しませんでしたか? D:実際に盲目のマッサージ師に習いました。マッサージは力任せにやるのではなくツボが大事なので、ツボについて習いました。1カ月ほど習っていたので、撮影中も特に緊張はしませんでした。 また、相手はベテランの俳優さんでしたが、撮影中は実際にマッサージをしていたので、とても気持ち良かったようです。 Q:両親にはマッサージしますか? D:母が肩こりなので、時々肩を叩いています。 Q:役作りの為にダイエットしたとの事ですが、どのような方法でダイエットしたのでしょうか? D:ダイエットは苦痛でした。1日3回、朝昼晩に水泳とランニングをしました。また、食事は少量の野菜のみで、ダイエットをした1年間、米は一切口にしませんでした。当然のことながら、体に良くありませんでした。 Q:日本に来た感想を聞かせてください。また日本国内で行ってみたい場所はありますか? D:今回来日は初めてですが、小さい頃から好きでした。日本はとても清潔なところだと思っています。東京は賑やかで人も多いですが、私の中にある日本のイメージは北海道です。四季折々の景色が美しくて……両親や友達と行ってみたいです。 Q:北海道はどこで知ったのですか? D:テレビで日本のいろいろな場所を紹介する紀行番組があり、それを見ていました。 Q:チャン・ツィイーさんがハリウッドに進出していますが、将来的に外国映画への出演等は考えていますか? D:今のところは考えていません。まず中国の観客の皆さんに私を知ってもらいたいです。まだ若いので、将来的にチャンスはあると思います。 Q:本作の中国での反響はいかがですか? D:国内では2001年の正月に公開されましたが、映画の評価は賛否両論といったところです。「好きだ」と言う人もいるし、「もっとドラマ性がある映画を撮るべきだ」と言う人もいるし……しかし、私個人としては普通の人間を描いた良い作品だと思います。私はこの作品に出演し、その後映画に1本出演し、テレビドラマにも出ていますが、中国の観客の皆さんは、テレビドラマで初めて私を認識したのではと思います。 Q:有名になって良かったこと、悪かったことを教えてください。 D:皆さんが私のことを知って、気にかけてくれることが大変嬉しいです。しかし、私が私自身だけのものではなくなり、プライバシーがなかなか保てなくなったことが残念です。また若いアイドルということで、健康的なイメージに合うように努力しています。 Q:(前の答えを受けて)どんな努力をしていますか?  D:自分を見失わず、平常心を保ち、雑念が入らないよう心がけています。 Q:この作品について、両親はどう思っていますか? D:感動したと言っていました。小さい頃から両親と離れて暮らしていたので、その私がこれだけのことができるということに対して嬉しかったと思いますし、誇りに思ってくれています。 Q:中国のテレビのアイドルといえば、ヴィッキー・チャオだと思いますがそれについてはどう思いますか? また今後アジア進出についての話はありますか? D:ヴィッキー・チャオとチャン・ツィイーは、1本のテレビ、1本の映画で瞬く間にスターになったということで、中国では神話になっていますが、私は同じ道を歩みたいとも思わないし、また目標にしようとも思っていません。私には私にしかない道があると思います。 また、韓国や日本の方と一緒に仕事をする機会があればいいな、と思っています。


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