STORY


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至福のとき Up Down Drag
 近代化が進む中国、大連。中年の労働者チャオ(チャオ・ベンシャン)は喫茶店で太った女性とお見合いの真っ最中。もう18回も失敗している彼は何とかしてゴールインしたいと思っているが、結婚のために5万元を用意するよう言われて困り果てる。彼は工場をリストラされて失業中なのだ。

 チャオに相談された仲間のフーは、工場の裏の空き地に放置されているオンボロバスを改装し、若いカップルに至福のときを提供するラブホテルにすればいいと提案する。気は進まぬが、背に腹は変えられない。チャオはバスにベッドを置いて “至福の間”なる休憩所を開業した。  花屋が捨てたバラの花びらで花束を作り、一張羅のシャツを着て見合い相手の家に向かったチャオ。ホラ吹きの癖が出て、彼女に自分が“至福旅館”の社長だと嘘をついてしまう。

 彼女の家には甘やかされたおデブの息子のほかに、目の不自由な前夫の連れ子ウー・イン(ドン・ジエ)が住んでいた。継母にとってウー・インは厄介なお荷物。チャオが旅館経営者と聞いて、娘を雇ってほしいと迫る。しかたなく少女を“至福の間”で働かせようとするチャオ。ところが運の悪いことに、少女を連れて行った日にバスは撤去されてしまう。やむなく家に連れ帰ると、殺風景だった彼女の部屋はきれいに模様替えされ、息子のものになっていた。

 朝出て行って帰ったら居場所がない。交差点の真ん中に飛び出した彼女をチャオが引き戻すと、さっきまであんなに気丈だった少女の目に涙が浮かんでいた。少女の境遇に同情したチャオは、彼女を会社の寮と偽って自分のアパートに連れて行った。

 チャンは按摩が得意だという少女のために、フーや工員仲間の協力で閉鎖中の工場にニセの按摩室を作ることにした。チャンから心づけ用の5元紙幣を受け取った仲間たちが、ある時は師範大学のリー教授、ある時はレストランのニウ社長として順番にここを訪れた。

 ウー・インは一生懸命働いた。お客さんたちが気持ちよさそうに眠りこけると、自分まで癒されたようで嬉しくなった。もっともっと働いてお金が貯まったら、父親を探し出し、目を治したい。そして、最初に見たいのは、父親とチャン社長の顔。そう聞いてチャンは涙ぐむ。

 ある日、ウー・インを寝泊りさせている自分のアパートに戻ったチャンは、テレビを持ち出して質屋へ走る。空っぽになった台を触って首をかしげるウー・イン。やがて本物の紙幣がなくなって、ウー・インの手には白紙のお札が渡されるようになった。チャオと工員たち、善良で愛すべき人々の悲しくも可笑しいお芝居はほころびながらも何とか続くように思えたが……。